ラクトフェリンの効果を紹介!機能性表示食品で病気予防ができるって本当?

安全性が高いと言われるラクトフェリンは、母乳の代わりになる人工乳やサプリメントなどに配合され、機能性表示食品として販売されているものも多くあります。多種多様な機能があり、健康や疾患への効果があるとされ、近年では注目されているたんぱく質です。

このコラムでは、ラクトフェリンとはどのような成分で、何に効果があるのかを紹介します。

健康な毎日を送りたい人におすすめの機能性表示食品

ラクトフェリンってどんな成分?

1939年に牛乳に含まれていることが発見されたラクトフェリンは、大量生産されるようになった1980年代以降、世界中で研究が飛躍的に進みました。

主に哺乳類の乳に含まれていますが、人間の場合だと母乳のほか、涙や血液、唾液などへ含まれる成分として知られ、細菌やウイルスなどから粘膜を保護する機能があるとされています。抗菌力や殺菌力が高く、ウイルスなどの増殖を防ぐほかにも、腸内環境を改善させる効果があるとされる成分です。

哺乳類の乳に多く含まれるのであれば、牛乳やチーズを摂取すれば良いと考える人もいるでしょうが、残念ながら市販されている多くの乳製品は加熱処理されているので、ほとんどラクトフェリンが含まれていません。熱に弱い性質があり、熱処理されれば酵素や酸へ分解されてしまうからです。

ラクトフェリンを摂取したいのであれば、ラクトフェリンが配合されていると表示がある食品や、機能性表示食品に登録されているサプリメントなどを選びましょう。

腸まで届くを目印に商品を選ぼう

ラクトフェリンの機能性表示食品では、腸まで届くなどの特徴が表示されているケースがあります。胃酸に弱い性質があるため、胃の中で分解されないようにラクトフェリンを腸へ届ける加工をした商品です。胃で分解されてしまったラクトフェリンからは、効果を十分に得られないので、胃酸に触れないようにコーティングされた商品を選ぶことで、より多くのラクトフェリンが摂取できるでしょう。

善玉菌を増加させて腸内環境を整えよう

腸内環境は、腸や免疫に良い影響がある善玉菌と、腸内が腐敗しやすくなるとされる悪玉菌、悪玉菌が増殖すると有害となり得る日和見菌のバランスが保たれている状態が良いとされていますが、腸内細菌のバランスが崩れると、腸の正常な機能を妨げ健康に影響を与えます。

ラクトフェリンは善玉菌を増加させる効果があり、整腸作用があるのが特徴です。腸内の善玉菌はプレバイオティクスと呼ばれるエサを得ると、数が増える性質があります。プレバイオティクスは、オリゴ糖やゴボウに含まれるイヌリンなどの食物繊維で知られていますが、ラクトフェリンも同様にプレバイオティクスの一種です。

人は年齢が高くなるにつれて善玉菌の数が減少し、腸内環境が悪化する傾向がありますが、ラクトフェリンによって善玉菌を増やし、悪玉菌を増加させないようにする効果を得られると考えられます。便秘や下痢などを繰り返している人などでも効果が得られるでしょう。

内臓脂肪が減少する!

ラクトフェリンには、内臓脂肪を減少させる効果がある機能性表示食品もあります。腸の周辺にある脂肪細胞を分解しやすくし、脂肪を蓄積させない効果があるのが特徴です。リパーゼと呼ばれる酵素は脂肪を分解する機能がありますが、ラクトフェリンがリパーゼに働きかけ、機能を高める効果があるとされています。

腹部内臓脂肪面積がラクトフェリンを含むサプリメントを摂取して8週間後に低減したと、サプリメントを販売するメーカーの実験で確認されたとのデータもありました。

骨粗しょう症を防ぐ効果に期待あり

骨粗しょう症の予防にラクトフェリンがつながるとも言われています。カルシウムの摂取不足や、閉経などがきっかけで女性ホルモンが減少すると、骨からカルシウムが減少してしまい骨粗しょう症に至る人も少なくはありません。

女性ホルモンは、骨の新陳代謝に大きく影響し、骨を生成する骨芽細胞と、骨を再構築させる破骨細胞のバランスを維持する役目があります。このバランスが崩れてしまうと骨粗しょう症を発症しやすくなると言われますが、ラクトフェリンは骨芽細胞を増加させ、破骨細胞が活発に働くのを抑える効果があるので、骨粗しょう症に罹患するのを防ぐ成分として摂取するのも良いでしょう。

ピロリ菌を減少させる効果や抗がん作用があると言われている

ラクトフェリンは、胃潰瘍などの疾患を引き起こすヘリコバクター・ピロリ菌へ高い抗菌作用があると言われています。日本人の約半数がピロリ菌へ感染していると考えられていますが、ある研究で2カ月間ラクトフェリンを摂取した人の中から30%の人が、ピロリ菌が1/10に減少したとのデータが残っています。

このため、ラクトフェリンは胃がんや胃潰瘍の予防へ効果があるとされています。

また、ラットに対する研究では、がんの発症や腫瘍が転移するのを防いだとのデータもありました。

花粉症や病気を防ぐための免疫を強める

腸内環境を整えるラクトフェリンは、ウイルスや寄生虫のほか、化学物質の影響から体を防御する腸管免疫を活性化させる効果もあるのに加えて、花粉症などのアレルギー反応を抑えるなど、免疫の力を強める機能があるのが特徴です。

小腸を刺激して、病原体を無力化させる働きがあるIgA抗体を増加させ、アレルゲンの侵入を防ぐ効果が確認されています。また、ウイルス感染した細胞や、がん細胞を発見して攻撃するナチュラルキラー細胞の活性化に効果があると期待されている成分です。

ラクトフェリンを与えたラットのナチュラルキラー細胞が増加し、活性化したとのデータがありました。ナチュラルキラー細胞は、活性が低ければ疾患に罹患しやすいと考えられているので、病気の予防に効果があると言えるでしょう。

鉄分不足を解消して貧血予防をする

ラクトフェリンは鉄分の吸収促進に役立つため、貧血の改善や予防に期待がされている成分です。鉄分は体への吸収率が良くない成分として知られていますが、鉄分とラクトフェリンは結合しやすい性質があるため、一緒に摂取すると吸収率を高められます。

貧血症状の多くが鉄分不足が原因と言われているので、ラクトフェリンを摂取することで予防になるでしょう。

ラクトフェリンで健康につなげよう

ラクトフェリンは腸内環境を整え、免疫力を強めるなど、さまざまな疾患予防やアレルギーの抑制に効果があると考えられる成分です。普通の牛乳やチーズなどの乳製品からは十分に摂取できないため、効果を得るためには機能性表示食品などを購入してください。

ラクトフェリンの機能性表示食品は多く販売されていますが、胃酸でラクトフェリンが分解されない加工がされている商品を選ぶと、より摂取しやすくなります。